2011-11-01から1ヶ月間の記事一覧

順序集合で圏(6)

ここらへんの続き。順序集合のフィルターとイデアルについて。 半順序集合の部分集合がある条件を満たすとき、フィルターであるという。通常の定義はフィルター (数学) - Wikipedia参照。またその双対概念をイデアルという。これをカテゴリカルに表してみる…

順序集合で圏(5)

ここらへんの続き。 dcpo (directed complete partial ordered set)*1 の定義。 順序集合 D が dcpo D が有向余完備*2でかつ、始対象を持つ。 有向集合の定義は順序集合で圏(1)を参照。ここであれば単にフィルター圏であること。 文献によっては始対象の存在…

順序集合で圏(4)

ここらへんの続き。順序ではおなじみの概念たち。考える順序集合を D として、その部分順序集合を A, B,... とする。x は D の元を表す。「x が錐」という言い方は普通はしないが、錐ができるなら実質的に1つしかなく*1、神経質になることはないので気にせず…

順序集合で圏(3)

順序集合での図式の極限 順序集合での極限は、図式を構成する対象だけで決まる。 図式が与えられたとして、錐を考えると、図式(=錐の底)の射を足しても取り除いても、錐の可換性は保たれる。つまり、射の有無で錐が錐でなくなることはない。従って図式の対象…

順序集合で圏(2)

順序集合を圏論的に考えるのに便利な概念を整理する。簡単のため、充満部分圏とその埋め込み関手と関手圏の対象としての埋め込み関手をポインティングする関手を同じ記号で表すことにする。 順序集合からの関手 プレ順序集合から一般の圏への関手は忠実関手…

順序集合で圏(1)

順序集合とは、その元の間に順序関係 ≦ がある集合。この関係「≦」を単純に矢印「→」に読み替えると圏になる。逆に、ある条件を満たす圏は「→」を「≦」に読み替えることで順序集合になる*1。 ということは、順序集合にまつわるあれこれ*2を圏の概念で表すこ…

デカルト射(三度目の正直)

前々回、前回に続いて3度目。そろそろ打ち止め。Cartesian morphism in nLabを参考に。 前回のやり方を基本として、より形を整えると、デカルト射の定義は以下のようになる: p: E → B を関手、f: X → Y を E での射とする。f がデカルト射であるとは、次の圏…