圏論に出会ったきっかけ

2月の檜山セミナーの懇親会で、ここらへんにいる人たちは何をきっかけに圏論とかに興味を持つようになったのだろうという話が出た。
なので、思い出話をすこし。
初めて圏論を知ったのは、数学セミナー1994年5月号の「代数学の0時限」という特集だと思う。なので、そのぐらいの時期に出会ったと。
そのなかの圏論の解説で、集合の∈を使わずに写像の言葉だけで各概念を記述する、というのが印象に残っている。それじゃあ何もできないだろうと思ったが、実際に解説で直積や単射写像のみで定義できることを示され、非常に驚いた。

で、もう一つ記憶にあるのが、数学セミナー1996年5月号の林晋氏の解説「圏のファンクション」。
この記事はほとんど式は出てこず、圏の思想について例を挙げて解説していた。なかでも

圏を一番抵抗少なく(抵抗なくではない)使っているのは計算機科学者
(略)
圏だとプログラムの副作用を扱うこともできる。
(略)
2-圏というかなり抽象的なものを計算機に当てはめると極めて直感的に理解できる。

などが印象に残っている(引用はうろ覚え)。そのころ全く計算機関係には興味が無かった*1が、これだけはなぜか覚えていた。

その頃から圏は憧れの対象になったが、いつまでたっても米田の補題あたりで挫折する繰り返しで情けない。
まあ数学は趣味でファンとして付き合おうと決めてるのであまり深刻になってないのがだめなんだろうなぁ。
今回檜山さんのセミナーが人から圏論の話をしてもらう初めての機会なので、少しでも進歩したい。

*1:むしろ嫌っていた。