層の Subobject classifier

例によって、「層・圏・トポス」を読んでて分からなかったので考えてみた。25ページあたり。
出てくる層はすべてX上。層の表し方として、関手スタイルと層空間スタイル(空間Yと局所同相写像p: Y → X)を無断で混ぜて書く。
理解したいのはPullback

Y0 -----> 1
|        |
|        |t
↓   f    ↓
Y  -----> Ω

の f。ここで、

  • Y0→Yは包含: Y0はYの開集合で、つまり部分層(部分空間)。
  • Y0→1は、1が終対象だから自明。
  • Ωはここで書いたように、関手Oのこと。O(U)はV⊆U⊆Xとして、(V,U)の形のペアの集合。
  • t:1→Ωは、Xの開集合Uに対して1点からの写像 t_U: *|--> (U,U)という自然変換。

Pullbackが成り立つためにはどのようにfを定義すればよいか。あるいは、fは自然変換だから、f_U:Y(U) → O(U) をどう定義すればよいか? ということと同値。
それにはfをこう定義すればよい:

f_U(y) := p(Y0∩y)

ここでy∈Y(U)、すなわちYのU上の断面。またpは局所同相写像p: Y → X。Y0∩yは、Yの部分空間としてのY0⊆Yと、Yの断面としてのy⊆Yの共通部分。
これが自然変換になっていることは、図式

           f_U                              f_U
U    Y(U) ------> O(U)               y    |------> (V,U)
|    |           |                ┬              ┬
|    |┓U'       |┓U'=∩U'       |              ↓
|    |           |                |           (V∩U',U')
↓    ↓   f_U'    ↓                ↓     f_U'     ‖?
U'   Y(U')------> O(U')              y┓U |------> (V',U')

の?のところを確かめればよい。これは、

V' = f_U'(y┓U') = p( Y0    ∩  (y┓U'))
                 = p( Y0∩y ∩  (y┓U'))
                 = p((Y0∩y)∩  (y┓U'))
                 = p( Y0∩y)∩ p(y┓U')    pは局所同相
                 =         V∩U'

となり、OK。
あとPullbackであることを示さないといけないけど簡単なので略。
結局、fをキチンと「部分対象」を取り出すように定義すればよいという実は簡単な話だった。

本筋と関係ないけど、断面って

y が Y の断面 ⇔ p|y: y → p(y) が同相

と定義した方がほんの少し楽なんじゃない?