マヤゲーム続き

マヤゲーム - oto-oto-oto日記に追加で、いつも忘れることをメモしておく。

マヤ図形と箱玉

マヤゲームを違った形に表現してみる。
マヤ図形を碁石の並びではなく、箱玉列とみる。つまり黒石を玉の入った箱、白石を空箱と見る。

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このとき、マヤゲームは

  • 玉をそれより左にある空箱に移動する。
  • 箱には高々1つの玉しか入れられない。
  • 手がなくなった方が負け。

となる。

三山崩しとマヤ図形 (1)

三山崩し(石とりゲーム、ニム)は2人で行うゲームで、ルールは、

  • 複数の玉を3つのグループ(山)に分ける。
  • プレイヤーは一度に一つの山から任意個の玉を取り除く。
  • 取り除く操作を交互に行って、山を全て無くした方が勝ち(手がなくなった方が負け)。

これのマヤ図形表現を、まず一山の場合で考える。山に5個玉があったとすると、対応するマヤ図形は、

… [●][●][●][ ][ ][ ][ ][ ][●][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

になる。アドレスとして番号を振った。5玉の山から3個取り除くという操作は、

… [●][●][●][ ][ ][●][ ][ ][ ][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

のように玉を3箱分左に移動することになる。山から全ての玉を取り除くことは、

… [●][●][●][●][ ][ ][ ][ ][ ][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

のように、番地0に玉が入ることで表現することにする。
三山、あるいはより多くの n 山の場合はマヤ図形を n 本並べればよい。

三山崩しとマヤ図形 (2)

n 山崩しには n 本のマヤ図形を並べたが、1 本の箱玉列で表現することを考える。
例えば、5個、3個、3個の三山崩しは

… [●][●][●][ ][ ][ ][ ][ ][●][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

… [●][●][●][ ][ ][ ][●][ ][ ][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

… [●][●][●][ ][ ][ ][●][ ][ ][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

の3本のマヤ図形で表現されるが、これを 1 本の箱玉列にするために、単純に重ねる。

                     ●
… [●][●][●][ ][ ][ ][●][ ][●][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

さらに、負の番地を廃止する。

                  ●
        [ ][ ][ ][●][ ][●][ ][ ] …
           0 1 2 3 4 5

ルールも、「一つの箱に任意個の玉を入れられる」と改める。
これで、三山( n 山)崩しがマヤ図形の変種で表現できた。

マヤゲームとフェルミオン、三山崩しとボソン

玉を量子力学的粒子、マヤ図形の番地はエネルギー準位と思うことにする。そうすると移動のルールはより低いエネルギーへの遷移と思うことができる。
また、マヤゲームでの玉はフェルミオン、三山崩しでの玉はボソンの統計性を示している。
佐藤幹夫はマヤゲームを三山崩しから思いついたそうだが、発想は「ボソンをフェルミオンに変えてみる」ということだったのだろう*1

おまけ 山崩しとしてのマヤゲーム

今までの話をたどれば、マヤゲームも山崩しとして表現できる。ルールは

  • 複数の玉を3つのグループ(山)に分ける。ただし、各山の玉数は全て異なっていること。
  • プレイヤーは一度に一つの山から任意個の玉を取り除く。ただし、各山の玉数は全て異なっていること。
  • 0 個の山を作ってはいけない。つまり、山を無くしてはいけない。
  • 取り除く操作を交互に行って、 手がなくなった方が負け。
    • n 山なら (1, 2, ... , n) という玉数構成の山となったときが終状態。

常に玉数を気にする結構難しいゲームになる。実際普通の三山崩しに比べてマヤゲームの解析はかなり難しいらしく、佐藤幹夫による解法は「マヤ代数」というものを導入するそうだ。

*1:三山崩しはボソンだ、なんて普通見抜けねーよ。