pullback の逆対角線の射
A ────→ X │ ┐ │ │ / │ r│ / │ │ / │ ↓/ ↓ B ────→ Y
上の図の四角が pullback だとします。このとき、
- 右下三角を可換にする斜めの射
- r のセクション
は一対一に対応します。
証明は簡単なので省略します。
こんな時に使えるかも(1)
X ┐ │ ・ │ ・ │ ・ │ ・ ↓ B ────→ Y
で、縦横の射が与えられているときに、三角を可換にする斜めの射が欲しいことがたまにあります。これを作るのに前記の結果を使えます。つまり、
- pullback を作る。
- 左の射のセクションを作る。
とすればいいわけです。
こんな時に使えるかも(2)
A │ r│ ↓ B
射 r のセクション全体というものを考えたいことがたまにあります。そんなときは、この射の右側に pullback 図式を作ります。
A ────→ X │ ┐ │ │ ・ │ r│ ・ │ │ ・ │ ↓・ ↓ B ────→ Y
前記の結果から、セクション全体と右下三角を可換にする斜めの射全体は一対一に対応します。そのような射は、考えている圏を C とすると、スライス C/Y の射になります。セクション全体が欲しいわけですがこれは、Hom 集合 C/Y(B→Y, X→Y) と表現できます。前記の結果を使うことで、セクション全体というよくわからないものが Hom というなじみのあるものとして把握できます。