Conceptual Mathematics Session 11. Exercise 5.

整数の集合を Z とする。関数αとβを

α: Z → Z, α(x) = x + 2
β: Z → Z, β(x) = x + 3

と定義する。
α、β は endomap の圏S(Sは集合圏)の対象になっている。
αとβは iso か?

証明

αとβが iso と仮定する:

    f
    →
α      β
    ←
    f-1

集合圏は有限余極限を持つから、関手 colim が存在する:

colim: S↓↓ → S

f、f-1 を colim で移す。簡単のため写した射も f、f-1 と書くことにする。明らかにこれは iso である。
ところで、対象 α を colim で移すことは、αと id のコイコライザーを取ることになる。βも同様。集合圏でのコイコライザーは平行射が定義するグラフの連結成分である。αと id は 2本の無限に長いグラフを定義し、βと id は 3本の無限に長いグラフを定義する。従って、α、βの colimit(コイコライザー) はそれぞれ 2点集合、3点集合 になる。これは iso ではないから、f、f-1 が iso であることと矛盾する。従って、αとβは iso ではない。